落武者
京を逃れて信州に向かう
北回りは海に沿って
南周りは木曽を抜けていく
盗賊の多い南周りは男ども
比較的落ち延びやすい北回りは女どもと子どもら
信州の地で落ち合うことを誓って
旅に出る
信州には石標や地蔵が多い
末の時代になっても再会を果たしたいと言う思いだ
風の音、川のせせらぎ、鳥のさえずり
小さな地蔵は耳を傾けている
積んであるだけの石たちも耳を澄ましている
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