新潟
この前、新潟に行ったときに聞いた話。只の作り話と言っていたけど、どうしても気になって、メモにしておいたもの。新潟では、多分、珍しいと思うけど、その飲み屋さん、地下に入っていく。結構しっかりした作りで、建物の上物を見ていると想像できない広さと言うか深さと言うか。反響を気にしてか、どのテーブルも話声はぼそぼそ。地元で合流した人の話もぼそぼそ、ぼそぼそ、と始まった。
新潟は大きな町だが掴みどころがない。海、港、運河、川、取り残された陸地、橋、また海。山は遠い筈なのに近くに感じる。だらだら続く街並みは却って温かいもてなしに感じる。
夜は表情を変える。人通りは極端に少なくなる。奥深く闇の中で眠っていたものが動き出す。人のものでない気配が漂ってくる。
小さな影は川べりから這い上がってくる。そのまま、老人の風体になって歩き出したと思ったら、例の居酒屋の地下に入っていく。
無表情な老人は、いつものテーブル、いつもの席に着く。誰かが合図を送った訳でもないのに、ぼそぼそと、、しかし、耳のすぐそばで話しかけられたようにはっきりした声で、話し始めた。視線はどこか遠くを見ているかのように。かすかな記憶を一つ一つ確かめるように、ぼそぼそと過ぎ去った時間を紐解き始めた。
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地下水脈
新潟の地下水脈の複雑さはあまり知られていない。
広報とか啓蒙とかの問題でなく、実際に複雑怪奇で行政も地質学界も十分な調査が出来ていない。水脈と言っても只の水ではなく、様々なケミカルが交錯している。利権が眠っていないか。虎視眈々の思いの人も、新潟の闇の中の話声に耳を傾ける。
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